第23回 ビジネスマンのためのPDF印刷術
〜PDFなら紙でも仕事がはかどる!〜

PDF印刷で差が出るITスキル

デジタル化が進む一方、紙の資料が求められる場面はまだまだ多く存在します。特に会議やプレゼン、社内配布資料など、PDFを印刷して使うシーンは日常的です。しかし、ただ「印刷する」だけでは紙も時間もムダになってしまうことも。そこで本記事では、ビジネスマンの皆さんに向けて、PDFを効率よく・きれいに・目的に合わせて印刷するためのテクニックを8つ、一挙にご紹介します。使用するツールは、もちろん、軽快で高機能な「PDF-XChange Editor」です。

TECHNIQUE 01
まずは印刷前にPDFファイルをチェック!

印刷トラブルの多くは、PDFファイルの状態に原因があります。まず確認すべきは以下の3点です。

ページサイズと用紙サイズが合っているか

PDFは1ページごとに異なるページサイズを混ぜることができるため、すべてのページサイズとページの向きを「サムネイル」ペインや「ページプロパティ」などで確認します。

フォントが埋め込まれているか

フォントが埋め込まれていないと、文字化けの原因になります。どの文字がおかしくなっているのかを調べることも困難です。すべてのフォントが埋め込まれたPDFを作ることを心がけましょう。

「ドキュメントプロパティ」の「フォント」で確認できます。
印刷が許可されているか

セキュリティ設定によって「印刷」が制限されている場合があります。印刷不可であることを知らずに配布の当日に印刷できず失敗しないよう、事前に印刷の可否や印刷の方法、セキュリティ解除などの確認をしておきましょう。

「ドキュメントプロパティ」の「セキュリティ」で確認できます。

TECHNIQUE 02
会議資料・提案書など用途別で最適な印刷設定に

印刷の目的によって、設定を変えることで紙の無駄や印刷時間を削減できます。この場合、PDF-XChange Editor側の機能とプリンター(プリンタードライバー)側が持っている機能の両方を活用します。例えば、

PDF-XChange Editorで[ファイル]メニューから[印刷]を選択し、印刷画面の上にあるプリンターの[プロパティ]をクリックして、プリンターの[プロパティ](プリンター側の機能)から白黒印刷やカラー印刷、インク節約モードや軽量印刷などを選択します。腕に自信のある方なら、「高度な印刷オプション」の「詳細」から、PDF-XChange Editorの機能を使った白黒印刷やカラー印刷の選択、解像度の変更など高度な機能も利用できます。

TECHNIQUE 03
小冊子印刷でコンパクトな資料を作成

紙を折ってホチキス留めするだけで簡易な冊子が作れる小冊子印刷。資料が読みやすく、配布にも最適です。
PDF-XChange Editorの印刷画面の「ページの配置とスケール」で「タイプ」から「ブックレット」(小冊子印刷)を選択します。ページ順を自動調整してくれるので手間なく作成できます。PDF-XChange Editorは「種類」で「パンフレット」(中綴じ用)と「ブック」(厚い冊子の製本用)が選択できるなど、高度な冊子作成も可能です。

TECHNIQUE 04
複数ページを1枚にまとめて印刷(Nアップ印刷)

「1枚に2ページ」「4ページ」といったNアップ印刷は、ページ数が多いPDFをコンパクトに印刷したい時に便利です。

PDF-XChange Editorでは、印刷画面の「ページの配置とスケール」で「タイプ」から「シート当たりのページ数」を選択します。様々なオプションを簡単に設定可能です。

TECHNIQUE 05
必要な部分だけをピンポイントで印刷

特定のページだけ印刷
ページ内の一部領域だけ印刷(選択範囲や表示領域を印刷)

PDF-XChange Editorでは、印刷画面の「ページ範囲」で「現在の表示」オプションを選べば、余分な部分をカットし、ページの必要な部分だけをスマートに出力できます。

TECHNIQUE 06
コメント、注釈、スタンプなどの有無を切り替えて印刷

PDFに付けた注釈(マークアップ)やスタンプを含めて印刷したい場合や、逆に清書として除きたい場合があります。PDF-XChange Editorでは、印刷画面の「高度な印刷オプション」からそれぞれ適したオプションを選択できます。

「ドキュメントとマークアップ」:レビュー資料として活用
「ドキュメント」:正式版の印刷に最適

用途に応じて出力を切り替えられます。ただし、PDFに付加されている情報の区別(「注釈」なのか「スタンプ」や「フォーム」なのか)は事前に知っておく必要があります。

TECHNIQUE 07
画像付きPDFをきれいに印刷するための解像度調整

PDFに含まれる画像は、解像度が高すぎても低すぎても問題です。

簡易な印刷なら200dpi、商業印刷なら350dpi程度が適切
解像度が「高すぎる」と、PDFのサイズが重くなり印刷も遅くなる
解像度が「低すぎる」と画質が粗く、資料の印象が損なわれる

解像度が高すぎてPDFファイルのサイズが無駄に大きいと印刷の際も余計な時間かかります。PDF-XChange Editorでは、画像の再圧縮や最適化機能も備わっており、事前にこうした機能でPDFのサイズを最適化しておくことで、印刷の時間を短縮できるでしょう。

TECHNIQUE 08
トラブル防止&仕上がり向上! 応用テクニック

印刷に関するちょっとしたテクニックも、ビジネスで差がつくポイントになります。

カラー原稿をモノクロ印刷で再現したい

カラー写真や白黒写真をモノクロの印刷機(輪転機)で再現するには荒い網点を作る必要がありますが、PDF-XChange Editorでは簡易網点生成機能(ディザリング)があります。「高度な印刷オプション」の「詳細」をクリックし、「高度な印刷オプション」画面の「レンダリング」オプションにある「色の上書き」で「モノクロ」を選択します。

A4をA3に印刷

印刷画面の「ページの配置とスケール」の「タイプ」から「カスタム倍率」を選び、倍率を141%にします。プリンター用紙のA3を選択するか、「ドキュメントのページサイズで用紙サイズを選択」にチェックを入れるとよいでしょう。

透かし(ウォーターマーク)の活用

活用次第で応用の幅が広がるのが「透かし(ウォーターマーク)」です。「社外秘」「サンプル」などをPDF上に透かしとして追加したり、特定の名称や日付を透かしで追加すると、配布先を特定するのに便利です。重要資料の区別や、誤配布の防止にも効果的です。

まとめ

PDFを紙で活用する際も、ひと工夫すれば効率と品質が大きく向上します。
今回紹介したテクニックは、すべてPDF-XChange Editorで手軽に実践できます。印刷というアナログの場面でも、PDFのスマートな使いこなしがビジネスマンに求められるスキルではないでしょうか。明日の資料印刷から、ひとつずつ試してみてはいかがでしょう。

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